傘生地の防水と撥水


雨傘用の生地を作っていくにあたり、必ず守らなければならないのが、「雨が漏らない事」です。

当然と言えば当然ですが、意外と知られていない事が多いので、ここで解説していきたいと思います。

傘生地の表が撥水コーティング、裏が防水コーティング


雨傘用の生地のほとんどが、表面が撥水コーティング、裏面は防水コーティングされています。

中には例外的な商品もありますので、ここではあくまで一般的な雨傘について記載します。

傘の防水面
傘の防水面
傘の撥水面
傘の撥水面

撥水コーティング、防水コーティングとは?


そもそも撥水と防水とでは何か違うのでしょうか?

「撥水」は水を弾くためのコーティングで、水が生地に吸着せず水玉状に落ちていく状態が撥水コーティングされた状態です。コーティング材は主にフッ素が使われており、フライパンやクルマのワックスなどに使われています。

一方「防水」は生地に水を浸透させないコーティングで、コーティング面に水をかけても水玉状にはなりません。

素材は主にアクリルが使われています。

撥水と防水を見分ける方法は?


撥水コーティングと防水コーティング、共に目に見える加工ではないので、生地の表と裏の見分けがつかないときがあります。生地の表と裏を見分ける方法としては、

  1. 目視で確認:くすんで見えるのが防水面、色がはっきり見えるのが撥水面
  2. 手触りで確認:粘着する感じがあるのが防水面、サラサラしているのが撥水面
  3. 消しゴムで確認:生地に対し消しゴムを当て、消しゴムにくっつくのが防水面、くっつかないのが撥水面

防水の品質基準


JIS規格に防水度試験(JIS L 1092 繊維製品の防水性試験方法)が設けられていますので、その基準で耐水度試験を行います。雨傘は250mm以上、晴雨兼用傘は150mm以上という数値が基準となります。

レインコートなどと比べるとかなり緩い基準となっています。

撥水の品質基準


JIS規格に防水度試験(JIS L 1092 繊維製品の防水性試験方法)が設けられていますので、その基準ではっ水度試験を行います。雨傘や晴雨兼用傘の種類に関係なく「3級以上」が合格基準となります。

※5級〜1級までランクがあり、数値が大きいほど撥水性能が高い。

超撥水生地の初期状態
超撥水生地の初期状態

撥水と防水の豆知識


防水面は通常使用において触れる事が少なく、また裏面に位置するので劣化が少ないですが、撥水面は常に表に出ており手で触れたり・汚れたり劣化しやすいです。

劣化を防ぐには生地を直接手で触ったりしないようにして下さい。

また撥水試験で最高値の5級が出たとしても、使用数ヶ月で撥水性がなくなってしまう場合があり上記の検査はあくまでも使用前の数値でしかありません。