洋傘工場の繁忙期

©Amvel Inc.
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傘のOEM生産を契約する際によくお客様から指摘されるのが、「傘の納期は長いですね〜」と言われる事です。閑散期でも平均90日程度ですので、アパレル製品などと比べると比較的納期が長い製品と思います。

これは傘生地や傘骨に原因があり、基本的にはバイオーダーで作られる業界で部材の在庫をストックしていません。そういう業界なのです。

 

諸説紛紛ありますが、生地は長期在庫にすると変色等の劣化現象が発生する事、骨に至ってはサビの発生などがある為だと私は思っています。アパレルでした ら、” 生地メーカー → コンバーター → 縫製工場 ”という商流がありますが、傘業界においてはコンバーターは皆無で、” 生地メーカー → 縫製工場 ”いうダイレクトな流れになっています。

※一部特殊な生地においてはコンバーターは存在します。

 

 

本題の繁忙期についてですが、大体11月〜4月の6ヶ月間は製造の繁忙期となります。

と書かれてもイメージしにくいと思いますので、仮に1月末に納品が必要な場合でシュミレーションをしてみましょう。

 

1月末 納品

輸送通関で約2週間

1月中旬 中国工場出荷

製造期間約90日〜120日

9月中旬〜10月中旬に正式オーダー

7月〜8月頃には企画開始・サンプリング・ビーカー確認

 

 

どうでしょうか?

実質企画する時間・サンプル確認等を正式オーダー前に行う必要がありますので、余裕を持ってご注文をいただけるなら、納品の半年前からプロジェクトを開始する必要があります。

 

もうひとつ。

傘の組立・生産は主に中国になりますが、中国には春節(旧正月)があり、春節付近の一ヶ月間はほぼ製造不可能です。事務系は動いていますが、工員さんはほぼ帰省してしまっています。