傘の製造 縫製工程

ここでは傘の縫製工場の工程を順に紹介します。細かい箇所は省略しております。大まかな流れをつかんでいただければ幸いです。工場によって、製造方法や工程はことなりますので、あくまで代表例となります。

生地を小幅に裁断

傘用の生地は幅が大きく、概ね66インチもしくは62インチの規格です。このままのサイズでは大きい為、傘の幅に合わせる

ため、2つもしくは3つの小幅に裁断を行います。

縁かけ

傘生地の縁(へり)がほつれないように、ミシンをかけ、生地の端を折りたたみながら縫製します。三巻とも呼ばれます。

裁断木型の作成

傘生地の裁断木型を作成します。木型はそれぞれの生地や骨種類によって使い分けられます。

基本的なサイズはあるものの、試作を何度も繰り返しおこない、微調整をします。最終的には木型職人の経験値に依存する部分が多く、簡単には木型を作ることはできません。

(参照ブログ:傘の裁断と木型

コマ裁断

木型を生地に当て、三角形に裁断していきます。裁断は5-7枚程度の生地を重ねておこないます。

デザインや素材によっては、1枚づつ裁断する場合もあります。

(参照ブログ:傘生地裁断に見る、人手不足問題

コマ検品

裁断した三角形のコマを検品します。蛍光灯を仕込んだすりガラス作業台にカバーを置き、汚れや織り傷などがないかなどをチェックしていきます。

骨検品

縫製ラインに渡す前に骨の検品をおこないます。基本的動作に問題ないか、油など残留していないか、外観不良などないかをメインにチェックします。

中縫い

コマとコマを縫い合わせる工程が中縫い。三角形のコマをつなぎ合わせ傘カバーになっていきます。

縫込みマーク取り付け

カバー製作途中工程で、縫込みマーク(製造者マーク・原産国表示)を取り付けます。

天かがり

カバーの中心を縫製することを天かがりと呼びます。傘骨の中棒に通す箇所なので、しっかりした縫製が必要です。また漏水や伝水をしないためにも、重要な工程となります。

カバー検針

コマとコマを縫い合わせたカバーの状態で検針を実施。検針機にかけ、ミシン針の残留がないかをチェックしていきます。

特に外注へ出す刺繍加工は針の残留可能性が高いため、検針必須と考えます。

カバー検品

コマとコマを縫い合わせたカバーの状態で検品を実施。蛍光灯を仕込んだすりガラス作業台にカバーを置き、生地汚れや傷、中縫い縫製ミスがないかなどをチェックしていきます。

中綴じ

傘骨に傘生地カバーを縫い付ける工程が中綴じ。基本は手縫いで作業をしますが、最近はミシンで自動化も始まっています。

中間検品

ハンドルを付ける前に中間検品をおこいます。ここでは傘の操作に問題ないか、汚れ・糸くずなど付着していないかなどを検品します。弊社の経験では、この工程を軽視する工場は不良率が上昇する傾向です。

触診検針

中間検品実施と同時に、触診検針をおこないます。針が通る箇所を手でなぞり、針の残留がないかをチェックしていきます。

手元取り付け

中棒に凹みを付けてからボンドを付着させ、手元を取り付けます。

最終検品

ハンドルを取り付けた後に最終検品を実施します。

下札取り付けと梱包

指定の下札(品質表示など)を取り付け、梱包をし製造完了。

包装・梱包

OPP袋に入れ6本にバンドルします。カートンに入れ梱包完了

抜取検品

梱包完了したものを任意に抜き取って検品を実施します。