小ロットからでもオリジナル傘は作れる?傘OEMの気になるロットの疑問、プロが解消します

「自社ブランドのオリジナル傘を作りたいけど、何千本もの在庫を抱えるのはリスクが大きい…」 「少ない数からテスト販売してみたいけど、ロットの壁が…」

 

オリジナル製品の開発において、多くの方が最初に直面するのが「最低ロット数(MOQ)」の問題です。特に傘のOEMでは、このロット数が理由で企画自体を断念してしまうケースも少なくありません。

 

しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。

 

この記事では、長年傘づくりに携わってきたアンベルが、なぜ傘のOEMにロットが存在するのかという根本的な理由から、その壁を乗り越えて小ロットでオリジナル傘を実現するための具体的な方法まで、詳しく解説していきます。

なぜ?傘OEMに「最低ロット」が存在する理由

まず、なぜ傘のOEMには最低ロット数が存在するのでしょうか。

 

それは、一本の傘が「生地メーカー」「骨(パーツ)メーカー」「縫製工場」といった多くの専門メーカーの協力によって作られているからです。

 

例えば生地を作る工場では、一度に大量の糸を染め、巨大な織機を動かして生地を生産します。骨やハンドルなどのパーツも、金型を使って一度に数千個単位で作る方が効率的です。そのため、各メーカーが「この量以上でなければ生産を受けられない」という最低ライン、すなわち「ロット」を設定しているのです。

 

アンベルが基準としている基本ロットを例に挙げると、以下のようになります。

  • 生地:2,000ヤード / 1色

  • 骨:2,400本 / 1種類

話を分かりやすくするために「1ヤードの生地で大人用の長傘が1本生産できる」と仮定すると、1つの色の傘を約2,000本生産するのが、ゼロから作る場合の基本的なロットになります。

 

お客様からは「2,000本は、やはり大きいですね…」というお声をいただくことが多いのが正直なところです。もちろん、私たちアンベルとしても、お客様にはなるべく事業リスクを小さく、最適な規模で生産していただきたいと常に考えています。

 

では、どうすればこのロットの壁を乗り越えられるのでしょうか。

【アンベルの提案】小ロットでオリジナル傘を実現する3つの方法

「ロットが大きいなら、諦めるしかないのか…」いいえ、そんなことはありません。アンベルでは、お客様のリスクを最小限に抑えるために、長年の経験とネットワークを活かした様々な小ロット生産のノウハウをご用意しています。

 

 

方法1:定番部材への「相乗り」作戦

 

最もポピュラーな方法が、私たちが自社製品などのために常に生産・ストックしている生地や骨のロットに「相乗り」していただく方法です。

 

例えば、私たちが定番のブラックやネイビーの生地を2,000ヤード発注する際に、お客様の分として100本分の生地を確保しておく、といったイメージです。これにより、お客様がゼロから生地を発注する必要がなくなり、圧倒的に少ない数からオリジナル傘を生産できます。

 

 

方法2:工場の「既存ストック」活用術

 

私たちのパートナーである縫製工場も、独自に生地やパーツのストックを持っていることがあります。そうした「既存の材料を拝借して生産する」というのも賢い方法の一つです。

 

思いがけない素敵な色や柄の生地が見つかることもあり、既存のものを巧みに組み合わせることで、ユニークなオリジナル傘が誕生する可能性を秘めています。

 

 

方法3:最新技術「デジタルプリント」の活用

 

近年、生地の生産技術は大きく進化しています。特に「デジタルインクジェットプリント」は、小ロット生産の革命児ともいえる存在です。

 

従来のシルクスクリーン印刷と違い「版」が不要なため、理論上は1本からでもフルカラーで複雑なデザインの生地を生産できます。価格は多少高くなる傾向にありますが、「少ない本数で、とにかくデザインにこだわりたい」というご要望には最適な方法です。

小ロットでもここまでできる!オリジナル性を出すカスタマイズ

「既存の材料を使うと、ありきたりな傘になってしまわないか?」というご心配もあるかと思います。ご安心ください。小ロットでもブランドの個性を表現する方法はたくさんあります。

  • シルクスクリーン印刷:生地にブランドロゴやイラストを印刷するだけで、一気にオリジナル性が高まります。

  • ピスネーム:傘を束ねるネーム(バンド)の先に、ブランドタグを挟み込んで縫製する人気のカスタマイズです。

  • パーツの組み合わせ:既存のパーツの中からハンドルの素材を木製や合皮に変えたり、ストラップの色を変えたりと、組み合わせ次第で傘の印象は大きく変わります。なお、オリジナルのハンドルを製作する場合は、最低でも600本からのロットが必要となります。

まとめ:ロットの壁で諦める前に、まずはアンベルにご相談ください

ご紹介したように、「ロット数が大きい」という理由だけでオリジナル傘づくりを諦める必要は全くありません。もちろん、ご提案できる範囲には限りがあり、お客様のご要望に100%お応えできない場合もございます。その点は何卒ご容赦ください。

 

アンベルは、お客様一人ひとりのご要望や事業規模に合わせて、最適な生産プランをご提案することを得意としています。ロットの壁を乗り越えるためのアイデアとネットワークには自信があります。

 

「まずは100本から試してみたい」「こんなデザインは実現可能?」など、どんな些細なことでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。一緒に、お客様のブランドにとって最適な一本を作り上げていきましょう。

 

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