「撥水性の試験はどのように行われるのか?」「試験内容がよくわかならい」という質問が度々ありますので、ここにまとめておきます。確かに撥水性試験はややこしい点がいくつかあります。
まず試験の名称がややこしい。
撥水試験の名称は「防水性試験」と分類され、そこから更に分類があり「耐水度試験」と「撥水度試験」に分類されます。
これはJIS規格の規定で決まっている事なので仕方がありませんが、傘業界では防水=耐水との認識なので、ここがまずややこしいポイント。今回は「撥水試験」に関してのみ書きます。
撥水試験は処理前・処理後の数値を見て合否判定をします。
数値と言っても染色堅牢度と同じで目視による判定で、1級〜5級の5段階評価。
処理前というのは、全く手を加えない新品の状態で、水を掛け撥水度を判定します。
ややこしいのは処理後です。
一体何の処理をするかというと、水洗い 或いは ドライクリーニング を行ない人工的に撥水を劣化させます。
ですがドライクリーニングによる検査はやっておらず、水洗いによる検査が主流だと思います。
水洗いの検査は家庭用洗濯機により、3回洗濯を繰り返します。
【手順】
40℃の水に洗剤を加え5分間洗濯
↓
30℃以下の水で2 分間すすぎを2回繰り返す
↓
脱水
↓
生地を吊り干し
↓
これを3回繰り返す
参考までにドライクリーニング処理は洗濯装置のシリンダに約30℃のパークロロエチレンを約3.78リットル入れ、約50×50㎝の試料と負荷布を合わせて約0.45㎏となるように調整したものを投入し、10分間運転する。これを3回繰り返す。