新型コロナウイルスでビニール傘が品薄?

ネットニュースで「新型ウイルス大パニック マスクに続きビニール傘が品薄の理由」という記事を見たので、私なりのコメントを書きたいと思います。

(参照:アサ芸ビズ 新型ウイルス大パニック(終)マスクに続きビニール傘が「品薄」の理由

一時的な品薄はあっても、パニックにはならない

結論として、「一時的な品薄はあるかもしれないが、パニックになるほどのことにはならない」と考えます。

 

当然マスクのように消費者・小売業者が買い占めれば、物流が間に合わず、品薄になる可能性はあるものの、現状の生産状況を勘案すれば、マスクのような極端な品薄にはならないと思います

 

ビニール傘のほとんどは福建省で生産されており、福建省地区の生産稼働率は徐々に回復しております。

※福建省は中国沿岸部でみれば、比較的新型コロナウイルスの感染者が少ない地域です。

(参照:新型コロナ感染 中国マップ https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-china-map/

 

また中国からの出荷も再開しており、2月中旬から船積み出荷している状況です。

メーカーも小売店も計画的な生産/販売をしている

 2月〜3月に輸入販売予定のものは、春節前に製造が終わっております。

今年の春節は1月末からで、そこから1カ月はサプライヤーの多くがもともと休業の予定です。(つまり2月末までは休業)

それらを織り込んで材料備蓄の計画を立てており、4月出荷分くらいまでの材料準備/製品在庫準備が進んでおります。

 

また大手小売業は何月に何本という輸入計画を半年位前には事前に決めているので、パニックになるような事態にはならないと思います。

 

ただ注意事項としては、傘骨の生産は遅れ気味の気配です。通常期より1カ月位生産が長引いてはおりますので、4月〜6月の生産ラインは傘骨の入荷待ちという状態になる可能性が有りえます。

 

いずれにしても、傘はビニール傘だけではありません。通常の傘も各メーカーは在庫を確保しておりますので、傘が市場からなくなるという事態はちょっと考えにくいと思います。


この記事を書いた人
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Yoshihiro Tsujino / Amvel inc. CEO

1992年、創業明治17年の傘の老舗企業へ入社。営業→企画へとキャリアを積み、「業界初の安全自動開閉傘」や「風に負けない傘」などを開発し耐風傘ブームを作る。その後、役員へと歩むものの、2016年2月に突然の倒産。2016年4月にアンベル株式会社を創業し、「超軽量折りたたみ傘」などの高機能傘の開発に邁進している。

一般社団法人日本日傘男子協会の理事も務める。