遮熱性のデータ、公開します

完全遮光生地のヒートブロックですが、「遮熱性」の検査を実施しましたので、結果を公開したいと思います。「遮熱性」の詳細については、アンベル社のコンテンツを参照してください。

(参照:日傘の遮熱性・遮熱率とは

遮熱性とは

太陽光の熱をさえぎる性能を数値にしたもので、温度上昇がどれくらい抑制できるのかを試験します。

試験方法については、ボーケンのホームページを参照してください。

(参照:BOKEN 遮熱性試験のJIS制定について

なぜ遮熱性の試験を実施したのか?

完全遮光生地の「ヒートブロック」はその名の通り、熱を遮る生地として開発されたものです。

とはいえ、遮熱性能を客観的に証明する統一された基準が今まではなく、またあったとしても検査会社によって検査方法が異なり、一般消費者にはわかりにくい検査基準でした。

2019年3月にJISで遮熱性の評価方法(JIS L 1951)が制定されたことで、統一された基準での検査が可能になったためです。

また遮光日傘ジャンルにおいて、遮光率100%、紫外線カット99%以上というスペックは当たり前になりつつあり、他メーカーとの差別化をするために試験を実施しました。

※遮熱効果率の試験ではありません。

評価は7段階になっている

遮熱率 区分記号
65%以上 S65+
55%以上 65%未満 S55
45%以上 55%未満 S45
35%以上 45%未満 S35
 25%以上 35%未満 S25
15%以上 25%未満 S15
15%未満 S15-

このように7段階にランクが分かれています。

一般的には遮熱率が35%以上あれば、遮熱性があると判定され、数値が高いほど遮熱効果が高くなります。

ただ日傘に関しては、実際使用するときの日差しの強さ、湿度、風などの天候状況に左右されるので、遮熱効果をどう感じるかは個人差があると思います。

 

また傘の持ち方によっても遮熱効果の感じ方が異なると思います。日差しの下で時間が経過するほど日傘は熱を持ち、頭部と日傘の距離が近いとより熱く感じ、距離が離れていれば、熱を感じにくくなります。

ヒートブロックの遮熱性

Light Gray 遮熱率49%

Powder Blue 遮熱率45%

Midnight Blue 遮熱率42%

Black 遮熱率33%


結果は上記の通りです。この日傘生地は同じ繊維、同じ遮光フィルムで構成されており、違いは生地の色だけです。色が違うだけで遮熱性数値が異なり、淡色ほど遮熱性が高く、濃色は遮熱性が低いといった傾向となっています。

従来では「日傘は黒がよい」とされてきましたが、遮光の日傘においては、淡色系カラーの方がより涼しく感じると思われます。


この記事を書いた人
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Yoshihiro Tsujino / Amvel inc. CEO

1992年、創業明治17年の傘の老舗企業へ入社。営業→企画へとキャリアを積み、「業界初の安全自動開閉傘」や「風に負けない傘」などを開発し耐風傘ブームを作る。その後、役員へと歩むものの、2016年2月に突然の倒産。2016年4月にアンベル株式会社を創業し、「超軽量折りたたみ傘」などの高機能傘の開発に邁進している。

一般社団法人日本日傘男子協会の理事も務める。