傘の加工:ヒートカットのご紹介

現在クラウドファンディング中の Pentagon67 。傘生地の裾部分は「ヒートカット」という特殊な処理をしています。

今回のブログではヒートカットについて紹介していきます。

ヒートカットは熱をかけながらを生地をカットしていく工法

ヒートカットはその名の通り、熱をかけながらを生地をカットしていく工法です。

製品になるとこんな感じです。

【ヒートカット】裾部分に縫い目がない
【ヒートカット】裾部分に縫い目がない
【通常の傘】裾部分に縫い目がある
【通常の傘】裾部分に縫い目がある

傘の裾部分に縫い目がないのが特徴です。

メリットとしては思いつくのは、以下の3点です。

  • ミシン工程を減らせる
  • 畳んだときに厚みが出ない
  • 見た目がスッキリ

イギリスの老舗傘ブランドでもこの工法を使っている傘があり、とてもスリムで見た目がスッキリ仕上がりになります。

熱でポリエステルを溶かしながらカットしていきます。

デメリットとしては、

  • 生地のカットに時間がかかる、コストも若干アップ
  • カットした端を故意に引っ張る、溶かした部分を取り去ってしまうなどすると、生地がほつれてしまう場合がある。

装飾ありのヒートカット

このような裾の加工もヒートカットです。

前者のヒートカットは直線的なカットですが、上記写真のヒートカットはデザインをプログラムしてレーザーを当てる方法でカットしていく技法になります。

軽量化のために

Pentagon67 では、軽量化やスリム化のために、様々な工夫を取り入れています。

ヒートカットは軽量化やスリム化の施策のひとつで、通常の傘と比べて、生地使用量を少しでも減らす、厚みを減らすための技法です。


この記事を書いた人
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Yoshihiro Tsujino / Amvel inc. CEO

1992年、創業明治17年の傘の老舗企業へ入社。営業→企画へとキャリアを積み、「業界初の安全自動開閉傘」や「風に負けない傘」などを開発し耐風傘ブームを作る。その後、役員へと歩むものの、2016年2月に突然の倒産。2016年4月にアンベル株式会社を創業し、「超軽量折りたたみ傘」などの高機能傘の開発に邁進している。

一般社団法人日本日傘男子協会の理事も務める。