ヒートブロック、遮熱率テストの数値を公開

2021年発売のヒートブロック、遮熱率テストの数値を公開します。

参考:日傘の遮熱性・遮熱率とは

まずはオフホワイトの数値を御覧ください。

経過時間(分) オフホワイト℃ ブランク℃ 差℃
0 19.40 19.50 -0.10
1 25.60 41.90 -16.30
2 29.10 49.90 -20.80
3 31.20 52.80 -21.60
4 32.70 54.10 -21.40
5 33.70 55.10 -21.40
6 34.60 55.40 -20.80
7 35.00 56.00 -21.00
8 35.40 56.20 -20.80
9 35.90 56.50 -20.60
10 36.30 56.60 -20.30
11 36.60 56.90 -20.30
12 36.80 56.80 -20.00
13 37.00 56.90 -19.90
14 37.10 57.00 -19.90
15 37.20 57.20 -20.00
16 37.40 57.40 -20.00
17 37.40 57.30 -19.90
18 37.60 57.60 -20.00
19 37.80 57.70 -19.90
20 38.00 57.70 -19.70
21 38.00 57.50 -19.50
22 37.80 57.70 -19.90
23 37.90 57.80 -19.90
24 38.00 57.90 -19.90
25 37.90 57.70 -19.80
26 38.10 57.80 -19.70
27 38.00 57.40 -19.40
28 38.00 57.80 -19.80
29 38.30 57.80 -19.50
30 38.30 57.90 -19.60

経過時間0分を除いて、平均温度差は約-20℃でした。

数字の羅列ではわかりにくいので、温度の推移を以下のグラフにしました。

※ブランクは生地を何も置いていないことを指します

オレンジ色の線がヒートブロックの生地温度、グレーの線は何も生地を置かない場合の温度。

簡単に言えば、日傘の有無で温度差を比較します。

ちなみに、ヒートブロックではカラーによって、平均温度差が異なります

遮熱率50%
遮熱率50%

平均温度差 ▲20.05℃

遮熱率48%
遮熱率48%

平均温度差 ▲19.09℃

遮熱率42%
遮熱率42%

平均温度差 ▲17.16℃


遮熱率42%のミッドナイトブルーは、時間の経過によって、温度差が小さくなってしまいます。

濃色系カラーは時間の経過によって生地に熱を溜めてしまう傾向にあるようです。

遮熱率のテストを解説

遮熱率のテスト、いったいどんなものなのかを噛み砕いて解説します。

まず遮熱率の試験は、「JIS L 1951 生地の遮熱性試験方法」と「レフランプ法」の2種類ありますが、ここでは「JIS L 1951 生地の遮熱性試験方法」でのテストを実施します。

詳しくは、ボーケンさんの遮熱性試験の方法をご覧ください。

https://www.boken.or.jp/wp-content/uploads/2021/01/topic_228.pdf

テストの流れは以下の通り

  1. テストする生地を検査する台に置く
  2. 人工太陽照明灯を点灯
  3. 1分毎に、生地有り・生地なしの温度を記録する(生地有りは生地裏面の温度を計測)
  4. 30分間実施する
  5. 生地有り、生地なしの差を計算し、遮熱率を算出する

今回テストのケースでは、遮熱率が50%という数値となりました。

生地有り、生地なしの温度差は平均で約20℃という結果が出ました。

 

遮熱率の試験結果を読み解く

温度差だけを見ると、生地あり・生地なしで平均約20℃の差が出ました。

しかし実際の使用で20℃の差がでるのかというと、そうではありません。

あくまでも温度差を計測するための、「人工太陽照明灯」を用いているだけで、実際の天候では、風向き、湿度、雲の動きなど、暑く感じる要素は刻々と変化します。

ただテストに使われている人工太陽照明灯は精緻な照明で、”晴天時、正午±2時間に地表に到達する太陽光と同じスペクトルの光を出す”と表示されている通りです。

参考:人工太陽照明灯 SOLAX 500Wシリーズ(セリック株式会社)

つまりヒートブロックは、炎天下などの温度差が出やすい状況下で、最大約20℃の温度差が出る可能性があるといえます。

ただし使用状況によって最大パフォーマンスが出ない場合がありえます。

  • そもそも涼しい早朝や太陽が出ていない状況では温度差が出にくい
  • 湿度が高いと、日傘の有無に関わらず暑く感じる
  • 炎天下の無風時と木陰で快適な風がある場合とでは状況がことなる

など、実際にご使用される状況で、かなり変わると思います。

 

他社品では、「マイナス8℃!」などの検査結果の数字の一部を抜き取って表示してある商品があり、消費者に対し誤解を招く表示が散見しております。

確かに検査結果として出た事実であっても、あくまでテスト条件と実際の使用条件は異なるので、ご注意いただきたいです。

まとめ

遮熱率は説明するのが難しい試験のひとつです。

試験は温度差だけを見るのではなく、あくまでも上昇温度を比較し、率に換算して数値化するものです。

生地の厚み・生地の色・加工の特殊性によってバラつきがありますが、何がしかの遮光加工をすれば、遮熱率は30%〜50%程度の数字がでます。

55%以上の数値はなかなか出たことがないのと、あくまで個人的意見ですが、30%以下だと遮熱効果は低いのかなと思います。

 

またこれも個人的意見ですが、炎天下の使用において、遮熱率30%と遮熱率50%とでは、体感温度的に大きな違いは感じませんでした。

ただし黒などの濃色系は、生地そのものに熱を溜めやすい傾向にあります。炎天下で長時間使用する場合は、日傘と頭との距離を広く保つようにしてください。少しでも暑く感じにくくなると思います。