日傘の「遮熱」機能って何?涼しさの仕組みと選び方のポイント

夏の厳しい日差し対策に「遮熱」機能付きの日傘が人気です。この記事では、なぜ涼しく感じるのか、その仕組みや選び方のポイントを分かりやすく解説します。

1. 日傘の「遮熱」機能とは?

「遮熱」とは、太陽光に含まれる熱(主に赤外線)をカットし、傘の下が暑くなるのを防ぐ機能のことです。日傘の生地に特殊なコーティングをしたり、熱をカットする素材を織り込んだりすることで、傘自体の温度が上がるのを抑え、結果として涼しく感じられます。

 

「遮光」との違い

よく聞く「遮光」は光(まぶしさ)を遮る機能、「遮熱」は熱(暑さ)を遮る機能です。

ただ、最近の高機能な日傘は、しっかり光を遮るもの(遮光性が高いもの)は、熱もカットしてくれるものがほとんどです。そのため、「遮光率が高い傘は、遮熱効果も高い」と考えて良いでしょう。

また、生地の表面は白っぽい色の方が熱を反射しやすいですが、それ以上に裏側の加工が重要です。裏面にしっかりとした加工がされているものであれば、黒など濃い色の傘でも高い遮熱効果が期待できます。

雨傘は太陽光が透過する
雨傘は太陽光が透過する
遮光傘は太陽光が透過しない
遮光傘は太陽光が透過しない

2. 遮熱の効果で、なぜ涼しいの?

遮熱機能のある日傘をさすと、頭の周りの温度上昇が10℃以上も抑えられるというデータもあり、直射日光のジリジリとした暑さを大幅に和らげます。頭部を熱から守ることは、熱中症対策としても非常に重要です。

また、傘の生地自体が熱くなりにくいため、傘からのモワッとした熱気も少なくなり、より涼しく感じることができます。

遮熱傘:傘が熱を吸収している
遮熱傘:傘が熱を吸収している
一般的な傘:頭部に熱の影響がある
一般的な傘:頭部に熱の影響がある

3. 遮熱効果の選び方と「遮熱率」の注意点

日傘の性能を示す指標として「遮熱率」という表示があります。これは、傘の生地がどれだけ熱を抑えるかを示した数値です。

ただし、注意したいのは、この数値の計算方法は一種類ではないという点です。業界団体の基準や、検査機関の基準など、様々なテスト方法が存在します。そのため、違うメーカーの製品を「遮熱率〇%」という数字だけで単純に比較するのは少し難しいかもしれません。

選ぶ際には、数値の高さだけでなく、どのような基準で表示されているかを確認したり、信頼できるメーカーの製品を選んだりすることも大切なポイントです。

4. これからの日傘の進化

日傘の技術はこれからも進化していきます。今後は、さらに涼しく、軽くて丈夫な素材が開発されたり、蒸れにくいように通気性を両立させたり、環境にやさしい素材が使われるようになったりと、より快適な製品が登場することが期待されます。

まとめ

日傘の「遮熱」機能は、夏の暑さを和らげ、快適に過ごすための大切な機能です。日傘を選ぶ際は、「遮光率」による眩しさ対策だけでなく、「遮熱効果」にも注目してみてください。この記事が、あなたにぴったりの一本を見つける手助けになれば幸いです。