オリジナル傘製作の第一歩:失敗しないOEMメーカー選定、3つの重要ポイント

オリジナル傘の製作プロジェクトを立ち上げた際、デザインや価格、納期にばかり目が行きがちではありませんか?しかし、プロジェクトの成否を分ける最も重要な要素、それは「信頼できるOEMメーカーを選ぶこと」に他なりません。

 

「傘なんて、どれも同じだろう」「合見積を取って安い方へ」と思われるかもしれませんが、実は傘は非常にデリケートで、品質的な落とし穴が無数に潜んでいます。

 

価格や納期といった目先の条件だけでメーカーを選んでしまうと、ブランドイメージを損なう品質トラブルや、時にはお客様を危険に晒すような事故に繋がりかねません。

 

この記事では、長年傘づくりに携わってきた私たちが「もし自分が発注担当者だったら、どんな会社を選ぶか?」という視点で、失敗しないOEMメーカー選定の極めて重要なポイントを解説します。

【大前提】なぜ、メーカーの「専門知識」が絶対に必要なのか

まず、なぜメーカーの専門知識がそれほどまでに重要なのでしょうか。

 

それは、傘が「生地」「骨」「ハンドル」といった多様なパーツの集合体であり、それぞれの素材特性や組み合わせ、そして法律に関する深い知見がなければ、安全で高品質な製品は決して作れないからです。

 

専門知識の欠如は、以下のような深刻なトラブルを容易に引き起こします。

  • 生地の配色選定ミスによる「移行昇華」の多発
    「移行昇華」とは、濃い色の生地から染料が気化し、隣接する薄い色の生地に色移りしてしまう現象です。傘を畳んだ状態で保管する際に発生しやすく、気づいた時には商品価値がゼロ、ということにもなりかねません。染料の特性や生地の組み合わせに関する専門知識があれば、こうした問題は未然に防げます。

  • 骨の素材組み合わせミスによる「破損」
    傘の心臓部である骨は、軽さや強度、しなやかさなど、求められる機能に応じて様々な素材(スチール、アルミ、グラスファイバー、カーボンなど)を組み合わせて設計されます。この組み合わせを間違うと、特定の箇所に負荷が集中し、少しの風で簡単に折れてしまうような、脆弱な傘が出来上がってしまいます。

  • 不正確な「品質表示」によるコンプライアンス違反
    傘には、組成(生地の素材など)や取り扱い上の注意を記載した「品質表示」を付けることが法律で義務付けられています。この内容が不正確であったり、そもそも表示がなかったりする場合、法律違反を問われる可能性があります。メーカーのコンプライアンス意識を見極める上でも重要なチェックポイントです。

これらは、数あるトラブルのほんの一例に過ぎません。

安全を左右する最重要項目「検品体制」

専門知識と同様に、あるいはそれ以上に重要視すべきなのが、メーカーの「検品体制」です。特に、傘の骨の検品が甘いと、極めて危険な事態を引き起こす可能性があります。

 

例えば、金属やグラスファイバー製の骨の先端部分に、製造過程で生じた「バリ」と呼ばれる鋭利な突起が残ってしまうことがあります。検品体制がしっかりしていれば、このような不具合は出荷前に必ず取り除かれます。

 

しかし、もし検品が甘く、バリが残ったままお客様の手に渡ってしまったらどうなるでしょうか。傘を開閉する際に指を切ってしまったり、顔の近くで操作して思わぬ大怪我に繋がったりと、深刻な事故を引き起こす恐れがあるのです。

 

お客様の安全を守ることは、製品を提供する企業の絶対的な責務です。 メーカーがどのような検品基準を設け、どれだけ徹底して実行しているか。その姿勢を必ず確認してください。

まとめ:価格や納期だけで判断しない。真のパートナーを見つけるために。

ここまで読んでいただければ、価格や納期だけでOEMメーカーを選定することが、いかに危険であるかをご理解いただけたかと思います。

 

提示された見積もりが驚くほど安い場合、その裏では、本来費やすべき品質管理や検品のコスト、あるいは専門知識を持つ人材の育成が疎かにされているのかもしれません。

 

メーカーを選定する際には、ぜひこう問いかけてみてください。 「なぜこの価格なのですか?」 「どのような品質管理や検品体制を敷いていますか?」 「過去にこんなトラブルはありませんでしたか?その際どう対応しましたか?」

 

その問いに対して、明確で誠実な答えを返せるメーカーこそが、信頼に値するパートナーです。

 

私たちアンベルは、長年の経験で培った専門知識と、お客様の安全を第一に考えた厳格な品質管理体制に誇りを持っています。単なる製造委託先としてではなく、お客様のブランド価値を共に高めていくパートナーとして、傘づくりをお手伝いしたいと考えています。

 

オリジナル傘製作で不安な点や疑問がございましたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。

 

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