同じ色なのに少し違う?日傘の「色ブレ」が起こる理由と許容範囲

せっかくお気に入りの色の傘を見つけて注文したのに、届いた実物を見て「商品写真とほんの少し色が違うかも?」と感じたり、よく見ると「傘本体と収納袋の色がわずかに違う」と気づいたりしたことはありませんか?

実は、これは不良品ではなく、100%遮光などの高い機能性を持つ傘生地を作る工程で、どうしても避けられない現象なのです。

 

今回は、傘の専門メーカーである私たちが、日傘の「色ブレ」がなぜ起こるのか、そしてお客様に安心してお使いいただくためにどのような基準で製品をお届けしているのかを詳しくお伝えします。

なぜ日傘の「色ブレ」は起こるのか?

日傘、特に100%遮光を誇る日傘の生地は、非常に複雑な工程を経て作られています。色が微妙に変化するのには、大きく分けて2つの物理的な要因があります。

 

1. 遮光コーティングが色に与える影響

100%遮光を実現する日傘の多くは、生地の裏側にポリウレタン樹脂による遮光コーティングやラミネート加工を施しています。これにより光を遮断していますが、この加工プロセスで加わる「熱」や「膜の厚み」によって、表面の色味は必ずと言っていいほど変化します。

これは、同じ染料を使っていても、加工のタイミングや環境によって避けることができない物理的な現象です。

 

2. 高品質な生地でも避けられない「ロット差」

生地は一度に大量に生産されますが、そのひとかたまりを「ロット」と呼びます。たとえ同じ工場で同じ設定で作ったとしても、生産日(ロット)が異なれば、その日の気温や湿度の変化によって色の濃淡にわずかな差異が生じます。

 

この「色ブレ」は、国内外のトップクラスの生地メーカーであっても同様に発生するものであり、現在のテキスタイル技術において「完璧にゼロ」にすることは極めて困難なのです。

アンベルが定める「許容範囲」と「譲れない一線」

私たちは、素材の特性を理解した上で、お客様に高品質な製品を安定してお届けするために、独自の運用ルールを設けています。

 

1本の傘の中での整合性は守ります

私たちの「譲れない一線」は、1本の傘の中に異なるロットの生地を混ぜないことです。「傘のこのパネルだけ色が違う」といったことがないよう、裁断から縫製まで徹底して管理しています。どうぞご安心ください。

 

本体と収納袋の「わずかな個体差」について

同一ロットの生地を使用していても、生地を切り出す場所(反物の端か中央かなど)によって、色の乗り方がわずかに異なる場合があります。そのため、「本体は少し濃く、収納袋は少し薄い」といった程度の差異は、製造上の許容範囲として受け入れています。

より良い製品を、持続可能な形でお届けするために

なぜ、私たちは「完璧な一致」を追い求めすぎないのでしょうか。それは、「健全なものづくり」を維持するためです。

もし、わずかな色の濃淡も許さないという極端に厳しい基準を設けてしまうと、多くの生地が廃棄され、生産コストは跳ね上がり、結果としてお客様に製品を届けることができなくなってしまいます。

 

私たちは、過度な選別による廃棄を減らし、生産現場との良好な関係を維持しながら、「傘としての機能と美しさが損なわれない範囲」での個体差を、素材の個性として大切にしています。

まとめ:素材の「個性」としてご理解いただくために

日傘の色味に生じるわずかな差異は、その傘が100%遮光という高い機能性を持っている証でもあります。

  • 機能性や耐久性には一切影響ありません。
  • 製品の品質・性能は厳格にチェックされています。

また、ご覧になるモニター環境や、屋外の太陽光の下と室内の照明下では色の見え方が大きく異なります。お手元に届いた傘が、太陽の下でどんな表情を見せてくれるかを楽しんでいただければ幸いです。

 

お客様へのご案内

製品の特性についてご理解をお願いしておりますが、どうしても色味が気にかかるという場合は、以下の通り対応させていただきます。

  • ECでご購入の個人のお客様
    アンベル公式オンラインストア等でご購入の場合、30日間の返品が可能です。どうしても色味がイメージと合わず、気に入らない場合は返品制度をご活用ください。
  • 法人・小売店のお客様
    納品されたタイミングで色ブレがあり、店頭に並べた際に強い違和感がある場合は、速やかに営業担当までご相談ください。改めて色ブレの許容範囲について確認・協議をさせていただきます。

これからもアンベルは、最先端の技術と誠実な品質管理で、皆さまの毎日を快適にする傘をお届けしてまいります。


<執筆者:辻野義宏> アンベル株式会社 CEO。30年以上に渡って傘の開発および研究を続けている。革新的な機能を追求し続ける日本の傘ブランド「AMVEL (アンベル) 」では、時代によって変化するベストを追求し、最先端の技術を駆使した傘をお届けしています。noteでも執筆中。