傘を閉じたとき、地面に接地する先端部分。そこに付いている部品が石突(いしづき)です。この石突は、傘の先端を保護するだけでなく、傘全体の機能性、安全性、そして美観を保つ上で非常に重要な役割を担っています。一見すると小さな部品ですが、石突の有無や品質が、傘の耐久性や使い心地を大きく左右します。石突の役割、素材、そして品質について、詳しく見ていきましょう。
石突は、傘の機能美を支える上で欠かせない存在です。
傘布の保護: 傘を閉じて立てかけたときや、地面に置いたとき、傘布の先端が地面に直接触れてしまいます。石突は、傘布の先端を物理的に保護し、ほつれや破れを防ぎます。
デザイン性の向上: 石突は、傘の先端を飾る重要なアクセントです。傘のデザインに合わせて、様々な形状や素材、色が使われることで、傘全体の印象を大きく左右し、高級感や個性を演出します。
安全性: 石突は、傘が地面に接地した際の滑り止めとしての役割も果たします。ただし、ステッキ(杖)のように体重をかけて歩くことは、傘の破損や転倒事故につながる可能性があるため、メーカーとして推奨されていません。
石突は、傘の機能性、安全性、そして美観を両立させるための、重要なパーツなのです。
石突に使われる素材は、強度や重量、そしてデザインによって使い分けられます。
金属 亜鉛合金などの金属が使われます。
メリット: 高い耐久性を持ち、高級感のある仕上がりになります。特に長傘によく使われ、傘全体の印象を格上げします。
デメリット: プラスチック製に比べて重く、製造コストも高くなります。
プラスチック(樹脂)
メリット: 軽量で安価であり、様々な形状や色に対応できます。水に濡れても錆びる心配がなく、特に折りたたみ傘によく採用されます。
デメリット: 金属に比べると強度は劣ります。また、高級感は劣ることがあります。
木材
メリット: 天然素材ならではの温かみと高級感があります。傘全体のデザインのアクセントになります。
デメリット: 湿気に弱く、ひび割れや変形が生じることがあります。特に細い形状のものは、衝撃で割れてしまう場合があります。
石突の品質は、傘の安全性に直結するため、SG基準(製品安全協会が定める安全基準)では、厳格な安全基準が設けられています。
落下テスト: 学童用傘において、製品を落下させて石突に衝撃を加え、破損や変形がないかを確認する試験です。これにより、万が一傘を落としてしまった際の安全性を保証します。
破損時の影響: 石突が破損したり、紛失したりすると、傘布の先端が地面に直接触れるため、ほつれや破れの原因になります。また、傘を立てかけた際に安定しにくくなることもあります。
交換可能: 折りたたみ傘の石突は、多くの場合、修理店などで交換可能な部品です。もし破損してしまった場合は、無理に使い続けず、修理することをおすすめします。
手元との関係: 一部の高級傘では、手元と石突の素材やデザインを揃えることで、傘全体に統一感と高級感を持たせています。
このように、石突は小さく目立たない部品ですが、傘の機能性と安全性を保つ上で非常に重要な役割を果たしています。
アンベル株式会社では、お客様に安心して傘をお使いいただくために、素材選びから構造設計に至るまで、細部にまでこだわって製品開発を行っています。