夏の強い日差しの中、日傘をさしたときに「涼しい!」と感じるのはなぜでしょうか?その涼しさを生み出すカギが、傘が太陽の熱をどれだけ遮るかを示す遮熱率(しゃねつりつ)です。
遮熱率が高い傘は、傘の下に涼しい日陰を作り出し、体感温度を下げてくれます。ここでは、日傘の品質を客観的に証明するこの試験の仕組みや、他の品質指標との違い、そして遮熱効果の高い日傘を選ぶメリットについて、詳しく見ていきましょう。
遮熱率とは、太陽光に含まれる熱線(主に近赤外線)を遮断する割合のことです。
遮熱率が高いほど
熱を通しにくく、傘の下の温度上昇を抑える効果が高まります。
遮熱率は、太陽光の「熱」という要素に特化した性能であり、日傘の「涼しさ」を測るための最も重要な指標なのです。
日傘の遮熱率は、分光光度計という専用の測定機器を用いて厳格に測定されます。この検査は、JIS(日本産業規格)のJIS L 1055 A法という規格に基づいて行われます。
【重要】この検査は、あくまで生地の物性のみを評価するものであり、製品全体の性能を保証するものではありません。
遮熱率には、JIS規格のような明確な等級分類はありませんが、検査機関によっては独自の評価基準を設けている場合があります。
例えば、多くの検査機関で、遮熱率の数値に応じてS35やS45といったランク付けが行われています。このランクは、以下のように分類されることが一般的です。
区分記号 | 遮熱率(%) | |
S65+ | 65%以上 | |
S55 |
55%以上〜65%未満 | |
S45 |
45%以上〜55%未満 | |
S35 |
35%以上〜45%未満 | |
S25 |
25%以上〜35%未満 |
一般的に、遮熱率35%以上(S35以上)であれば遮熱効果があるとされており、数値やランクが高いほど遮熱性能が優れていると判断されます。
日傘を選ぶ上で重要なこれらの用語は、それぞれ異なる「光」や「熱」に対する性能を示しています。
遮熱率
太陽光に含まれる熱線(近赤外線)を遮る割合です。この数値が高いほど、傘の下が涼しく感じられます。
UVカット率
紫外線(UV-A、UV-B)を遮る割合です。日焼けやシミの原因となる紫外線を防ぐ効果が期待できます。
遮光率
可視光線(目に見える光)を遮る割合です。この数値が高いほど、日陰が濃くなり、眩しさが軽減されます。
遮熱率、UVカット率、遮光率はそれぞれ独立した性能ですが、優れた日傘はこれらすべてを高いレベルで兼ね備えています。
日傘の色は、遮光性と遮熱性に影響を与えます。
濃い色の傘
黒や紺などの濃い色の傘は、可視光線(光)の吸収率が高いため、遮光性やUVカット率が高い傾向にあります。しかし、熱も吸収しやすいため、生地自体が熱を持ち、傘の下の温度上昇を抑えるのが難しい場合があります。
薄い色の傘
白や薄い色の傘は、光や熱を反射しやすいため、遮熱性が高くなる傾向にあります。
そのため、涼しさを重視するなら、白や薄い色の傘を選ぶか、生地の裏側に特殊なコーティングが施されている製品を選ぶのが効果的です。
涼しい
熱線を遮ることで、直射日光による体感温度の上昇を抑え、涼しく快適に過ごすことができます。
熱中症対策
日傘による日陰効果と合わせて、熱中症対策に有効です。
紫外線対策
多くの場合、遮熱性の高い傘はUVカット効果も高いため、日焼け対策にもなります。
遮熱率の数値を確認することは、日傘を賢く選び、夏の暑さを快適に乗り切るための重要なポイントとなります。
アンベル株式会社では、お客様に涼しく快適に過ごしていただくために、厳格な遮熱率検査を実施し、品質の高い製品を提供しています。