遮熱効果率(傘の遮熱性評価試験)

日傘の涼しさを測る「遮熱効果率」とは?製品で検証する品質の秘密

夏の強い日差しの中、日傘をさしたときに「涼しい!」と感じるには、傘がどれだけ太陽の熱を遮断できるかが重要です。この傘の「涼しさ」を客観的に測るのが、遮熱効果率(しゃねつこうかりつ)です。

これは、傘の生地単体ではなく、骨組みや生地、そして傘の形状を含めた製品そのものの遮熱性能を評価するための試験です。ここでは、日傘の品質を語る上で欠かせないこの試験の仕組みや、涼しい日傘を選ぶメリットについて、詳しく見ていきましょう。

※生地のみの検査は「遮熱率」になります。


なぜ「製品試験」が重要なのか?

傘の遮熱性能は、生地の性能だけで決まるわけではありません。生地の裏側のコーティング、骨組みの素材、そして傘のドームの形状など、製品全体の構造が影響します。

  • 生地単体では測れない性能: 遮熱性試験には、生地の物性のみを評価する試験もありますが、それでは実際に傘をさしたときの「涼しさ」を完全に再現することはできません。

  • 実際の使用環境を再現: 遮熱効果率試験は、傘製品として組み立てられた状態で、太陽光を模した光を当てて測定します。これにより、お客様が実際に日傘をさしたときに得られる遮熱効果を、より正確に評価することができます。

  • 熱のこもりを防止: 測定の際、試料と測定部の間を完全に開放された空間にすることで、無用に熱がこもらないように配慮されています。

この試験は、単なる生地の性能ではなく、傘という製品の総合的な品質を保証するために不可欠なものです。


遮熱効果率の仕組みと計算方法

この試験では、人工的な太陽光を照射できる人工太陽照明灯という装置を使います。

試験方法

  1. 傘の固定: 傘を完全に開いた状態で固定し、その下に温度計を設置します。このとき、長傘と折りたたみ傘では、人が傘をさしたときの体との距離を想定し、温度計までの距離を変えています。

  2. 光の照射: 傘の上から人工太陽光を30分間照射し、温度計で2分ごとに温度を測定します。

  3. 比較: 次に、傘がない状態で同じように光を当て、温度を測定します。

  4. 計算: この2つの測定結果をもとに、以下の計算式で遮熱効果遮熱効果率を算出します。

  • 遮熱効果(℃) 遮熱効果(℃) = 傘がない時の温度上昇 - 傘がある時の温度上昇 これは、傘をさすことで、温度上昇が何℃抑えられたかを示します。

  • 遮熱効果率(%) 遮熱効果率(%) = 遮熱効果(℃)/ 傘がない時の温度上昇 × 100 これは、傘をさすことで、温度上昇が何パーセント抑えられたかを示します。

たとえば、傘がない時の温度上昇が37℃で、傘がある時の温度上昇が5℃だった場合、遮熱効果は32℃、遮熱効果率は86.5%となります。


涼しい日傘を選ぶメリット

  • 体感温度の低下: 遮熱効果率が高い傘は、直射日光による体感温度の上昇を抑え、暑い日でも涼しく快適に過ごすことができます。

  • 熱中症対策: 日傘による日陰効果と合わせて、熱中症のリスクを軽減するのに有効です。

  • UVカット効果: 遮熱性が高い傘は、UVカット効果も同時に高まる傾向があるため、日焼け対策にもなります。

このように、遮熱効果率の数値は、日傘の「涼しさ」を測る上で重要な指標です。


アンベル株式会社では、お客様に涼しく快適に過ごしていただくために、製品そのものの遮熱効果率を厳格に検査し、品質の高い製品を提供しています。

 

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