傘の購入を検討する際、デザインや色、価格はもちろん大切ですが、最も重要なのは「長く使えるかどうか」です。
特に、傘の開閉操作は使用頻度が高く、耐久性が問われる部分です。
ここでは、傘の品質を評価する上で重要な指標となる「開閉500回耐久性試験」について詳しく解説します。
この試験は、傘の基本性能である「開く⇔閉じる」動作を繰り返し行うことで、製品の耐久性を確認するものです。
単に500回開閉できれば良いわけではありません。試験終了後には、以下の項目を目視で厳しくチェックし、使用に支障がないことを確認します。
開閉操作の円滑性: 500回後も、開閉がスムーズに行えるかどうかを調べます。引っかかりや異音がないことが重要です。
各部の緩みや破損: 親骨とだぼ、だぼと受骨といった可動部の緩みや破損がないかを確認します。これらの部分は、開閉時に最も負荷がかかるため、耐久性が問われる重要なポイントです。
中棒の変形・折れ: 中棒が曲がったり、折れたりしていないかをチェックします。特に、折りたたみ傘の中棒は、伸縮を繰り返すため、変形しやすい箇所です。
手元のがたつき: ハンドル(手元)がぐらついたり、外れたりしていないかを確認します。安全に使用するためには、しっかり固定されていることが不可欠です。
生地の異常: 傘生地にほつれや破れがないかを確認します。生地の耐久性も、傘の寿命を左右する重要な要素です。
これらのチェック項目をクリアして初めて、「耐久性がある傘」と評価されます。
日本の傘の品質評価基準には、QTEC(日本繊維製品品質技術センター)が定める基準があります。QTECの耐久性試験は、傘の開閉操作を100回繰り返した後、異常の有無を確認するものです。
QTECの試験方法: 1分間に5回の速さで、開閉動作を100回繰り返します。折りたたみ傘の場合は、中棒の伸縮や親骨・先親骨の折り曲げも含まれます。
基準: 各部に亀裂、破損、変形がなく、スムーズに動くことが合格基準となります。
QTECの基準は、初期不良や欠陥がないことを確認するのに役立ちます。一方、500回開閉試験は、より長期的な使用に耐えうるかを評価する、さらに厳しい耐久性テストと言えます。
耐久性の高い傘を選ぶことは、単に長持ちするだけでなく、様々なメリットがあります。
安心感: 突然の雨風に見舞われても、傘が壊れる心配が少なく、安心して使用できます。
経済性: 頻繁に買い替える必要がなくなり、結果的にコストを抑えることができます。
環境への配慮: 廃棄される傘の数を減らし、環境負荷の低減にも貢献します。
傘の耐久性は、目に見えない部分ですが、製品の品質を左右する非常に重要な要素です。次に傘を選ぶ際は、「開閉耐久性」を一つの基準として、長く愛用できる一品を見つけてみてはいかがでしょうか。