耐風性能

風に強い傘の秘密!「耐風性能テスト」から知る品質の真価

突然の突風で傘がひっくり返り、骨が折れてしまった…そんな経験は誰にでもあるはずです。風の強い日に安心して使える傘の秘密は、目に見えない耐風性能にあります。傘の耐風性能は、残念ながら公的な規格基準がありません。だからこそ、アンベル株式会社では独自の厳格なテストを実施し、お客様に風に強い傘をお届けしています。

ここでは、その耐風性能テストの仕組みや、傘の品質を見極めるためのポイントを詳しく見ていきましょう。


なぜ独自の耐風性能テストが必要なのか?

傘の耐風性能を測るには、実際に風を当ててみることが一番です。しかし、自然の風は予測不能なため、同じ条件で繰り返しテストすることはできません。そこで、私たちは「屋内型耐風試験機」を使って、常に一定の条件で風を再現し、傘の耐久性を測っています。

このテストは、以下の3つの項目で、傘が風にどう耐えるかを総合的に評価します。

  1. 耐風強度: 風速15m/sの風に耐えられるか

  2. 反り返り強度: どのくらいの風速で「おちょこ」になるか

  3. 繰り返し強度: 一度おちょこになっても、どれだけ元に戻せるか

これらのテストをクリアすることで、お客様は、風の強い日でも安心して傘をお使いいただけるのです。


耐風性能テストの仕組みと方法

1. 耐風強度テスト

これは、傘が強い風に耐えうる基本的な強度を持っているかを測るテストです。

  • 試験方法: 傘を開いた状態で専用の治具(じぐ)に固定し、中棒に対して水平な方向から、風速15m/sの風を1分間当て続けます。 このとき、傘が風を受ける角度(0度、45度、90度など)を変えることで、あらゆる方向からの風圧を再現します。

  • 合格基準: 試験後、親骨中棒に亀裂、破損、著しい変形がないこと、および縫製に異常がないことを確認します。

風速15m/sは、風速計で言えば「やや強い風」に相当しますが、体感的には「傘をさしているのが困難になるレベル」の風です。この風に耐えられる傘は、日常生活で遭遇するほとんどの強風に耐えうると言えるでしょう。


2. 反り返り強度テスト

傘が「おちょこ」になる速度を測るテストです。

  • 試験方法: 傘を開いた状態で、中棒を風上側に135度傾け、風速を徐々に上げていきます。傘が反り返ってしまったときの風速を記録します。

  • このテストが意味すること: このテストで測る「反り返る速度」は、傘の骨組みの柔軟性や、開閉部の固定力がどれだけ強いかを示す重要な指標です。この数値が高いほど、傘が「おちょこ」になりにくいと言えます。


3. 繰り返し強度テスト

一度ひっくり返った傘が、どれだけ復活できるかを測るテストです。

  • 試験方法: まず、傘を一度おちょこになる風速で送風します。その後、風が当たったままの状態で傘を閉じ、再度開くという動作を100回繰り返します。

  • このテストが意味すること: このテストをクリアした傘は、たとえ強い風で一度ひっくり返っても、骨組みが破損せず、再び使うことができることを証明します。これは、長く使える傘の品質を保証するための大切な指標です。


屋外での耐風性能テスト

屋内型の試験機では風速15m/sまでしか再現できません。そのため、アンベル株式会社では、より強い風への耐性を測るために、屋外で最大風速30m/sの試験も実施しています。

風速30m/sは、台風並みの暴風です。このような状況下でも、傘がどれだけ耐えられるかを徹底的に検証することで、製品のさらなる品質向上を目指しています。


アンベル株式会社では、お客様に安心して傘をお使いいただくために、このような厳しい耐風性能テストをクリアした製品をお届けしています。

 

▶ もし、傘についてさらに詳しく知りたいことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。