移行昇華とは?

移行昇華とは、分散染料で染められた傘生地の色が、他の部分へ色移りしてしまう現象です。

ポリエステルの場合、物性的に色移りが発生してしまいます。染色技術の進歩により、移行昇華する可能性はかなり下がりましたが、絶対に色移りしないという生地メーカー保証はありません。

また傘生地は防水コーティングが必須になりますが、防水コーティング剤と染料が化学反応する場合があり、一般的な生地と比べ色移りしやすいという推測もあります。

傘生地を裏側から撮影、中央の薄グレーに見える部分が移行昇華。
傘生地を裏側から撮影、中央の薄グレーに見える部分が移行昇華。

移行昇華を発生させないポイント

  • 現在の染色技術では完全に防ぐ事はできません。そのことを理解した上で企画をする。
  • 白地に赤や紺などの組み合わせは移行昇華が発生しやすいので、デザイン企画段階から配色に注意する
  • 発注前に生地メーカーへビーカーを取りますが、ビーカー時点で堅牢度に注意する
  • マイクロファイバー系の高密度生地は移行昇華しやすいので、プリントは製造しない。
  • 生地をポリエステルではなくナイロンに変更する。(ただしナイロンは色が全体的にくすみ、生地の伸縮があります)